先週金曜の為替相場は、相場全体として方向感が乏しく様子見の展開となりましたね。力関係、1時間足レベルの短期トレンドを見ても特徴的な傾向を持つ通貨ペアはなく、週末を前にポジションを増やしたくないような雰囲気に見受けられました。 特に今週はECBフォーラムでの要人発言や米雇用統計などを控えていることもあり、それまでは動きにくい状態が続く可能性もありますので、無理せずまずは自分の資金管理やポジション管理、相場把握を行ったうえでシミュレーションを万全にしておきたいですね。 ではまず力関係について、週間予想で記載しましたので重複しますが、先週金曜は【CHF>EUR>NZD>USD>GBP>JPY>AUD>CAD】という形になっていて、先週木曜の【CAD>CHF>AUD>JPY>GBP>EUR>NZD>USD】から比べると、カナダドルが強い位置から弱い位置に変化したこと、スイスフランが強い位置を維持していること、ドルやユーロ、NZドルが位置を上げたこと、円や豪ドルが位置を落としたことなどがわかります。 また短期トレンドはドル円クロス円ともに金曜の動きを受けてフラットに近い状態ですので、現状は上下どちらに攻めるにしてもリスクがある状態と言えます。 まずは円軸の動きが出れば取引機会が見つけやすくなるわけですが、雇用統計に向けてドルストレートで取引を考えている方は、ドルを軸とした位置関係の変化を見ておきたいですね。 円軸に関してはここから円売りの動きが出ればロングのチャンスになり、力関係上強い通貨を買って円を売る形で攻めるのが低リスク。 逆にここから円買いの動きが出ればショートのチャンスになり、力関係上弱い通貨を売って円を買う形で攻めるのが低リスク。 今日のイベントとしては日鉱工業生産、英GDP改定値、独小売売上高・消費者物価指数速報値、米シカゴ購買部協会景気指数、夜中にはECBフォーラムが開催されラガルドECB総裁の開会挨拶などが予定されていますので、まずは欧州時間以降の力関係変化を見ていくようにすると良いでしょう。 また雇用統計に向けて神経質な動きにとどまることも考えられるため、その際には無理して取引する必要もないので、自分の状態を確認するための時間を取り、資金管理やポジション管理などにリスクが潜んでいないかをチェックするのも良いと思います。 もし取引するのであれば、寝ている間に相場が変化する可能性も考えて取引量は少な目にしておき、なおかつ当日決済できる範囲で無駄なポジションを残さない意識を持っておきたいですね。 それでは、今日も一日頑張りましょう!
みなさんこんにちは、斉藤学です。 【前日の結果】 ・ダウ平均 43386.84(+404.41 +0.94%) ・日経平均(CFD)39760.00(+175 +0.44%) ・金・ゴールド 3330.61(-1.50 -0.04%) ・原油・WTI 65.33(+0.41 +0.63%) 【前日発表の経済指標】 ★★★★ 21:30(米)1-3月期GDP確定値(前期比年率) 前回:-0.2% 予想:-0.2% 結果:-0.5% ★★★ 21:30(米)前週分新規失業保険申請件数 前回:24.5万件 予想:24.7万件 結果:23.6万件 【本日の戦略】 <ドル円は一時143円台後半へ下落> 昨日のドル円は上値が重く、一時143円台後半へ下落しました。 「トランプ大統領はパウエルFRB議長の後任について早期の選定・指名発表を検討している」と米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じたことが、ドル売り材料に。 以前から、トランプ大統領はFRBが利下げ注文に応じていないことに不満を表明していました。同紙によれば、後任候補としては元FRB理事ケビン・ウォーシュ氏のほか、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長、ベッセント財務長官、世界銀行総裁を務めたデービッド・マルパス氏、ウォラーFRB理事らが検討の対象となっています。 <引き続き、米経済指標にも注目> 昨晩はさらに、米1-3月期GDP確定値が予想-0.2%に対し結果-0.5%と下方修正されたことも、ドルの上値を重くしました。米10年債利回りは4.2%台半ばへ低下、ドルは調整の地合いが続くと見ますが、下がったところでは株高による円安がサポートすると予想します。 また、今晩は米5月PCEデフレーターに注目。前年同月比は前回値2.1%に対し予想2.3%、PCEコア・デフレーター(前年同月比)の方も前回値2.5%に対し予想2.6%と上昇する予想となっており、予想通りであればドル買いに期待できます。 【経済指標】 ★★★ 21:30(米)5月個人消費支出(PCE)(前月比) 前回:0.2% 予想:0.1% ★★★ 21:30(米)5月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比) 前回:2.1% 予想:2.3%★★★ 21:30(米)5月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)(前月比) 前回:0.1% 予想:0.1% ★★★ 21:30(米)5月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)(前年同月比) 前回:2.5% 予想:2.6% 【本日の予想レンジ】 ・ドル円 143.50〜145.00↓ ・ユーロ円 168.50〜170.00↑ ・ポンド円 197.70〜199.00↑ ・豪ドル円 94.00〜95.50 ↑ ・ユーロドル 1.1650〜1.1800↑ ・ポンドドル 1.3680〜1.3800↑ ・ドルスイス 0.7900〜0.8050↓ 【通貨の強さ】 豪ドル>ユーロ>ポンド>ドル 【注目通貨】 ・ドル(米利回りの低下)
先週は「リスクオフのドル高」という感じの週で、イスラエル・イラン情勢の悪化に伴いドル円も上昇していたのですが、そんな中で週末にはアメリカがいきなりイランの核施設にバンカーバスターを投下し、週明けはそこまで大きく混乱はなかったもののドル円も上昇基調が続き、一時は148円まで行きました。 しかし、その後144円台まで下落し、その背景には ・イスラエル・イランでまさかの停戦合意発表 ・FRBのウォラー理事、ボウマン副議長が相次いで7月利下げの可能性に言及し、アメリカの利下げ確率が高まった という2つの事情が重なっており、これによってドル高の流れが一気に反転し、今週は今のところドル安が進んでおります。 イスラエル・イランについては、停戦合意とは言ったもののまだ戦闘は続いていますが、ただマーケット的には原油価格が75ドルから65ドルくらいまで急落し、金価格も3,400ドル台後半から3,300ドル台前半と下落しているように、少なくともこれまでのような警戒感は明らかになくなっております。 これについては、今後も戦闘が続くことはある程度織り込みつつも、特にイラン側がアメリカへの反撃も事前通告の上で全く被害の出ないようなミサイル攻撃をするなど、かなり自制していることから、ホルムズ海峡封鎖などの最悪の事態は回避されたという見方だと思っており、この点については私もそうだろうとは思っております。 こうした状況の中で、株価についてはS&P500やNASDAQも史上最高値を射程圏に捉え、米国債利回りも低下傾向にあるなど、マーケットとしてはかなり落ち着いてきているのですが、一つ気になっているのが、その中でなお「安全資産」のスイスフランが強く、ドル/スイスフランは一時0.805割れと、かなりのスイスフラン高となっている点があります。 スイスは、この前の金融政策会合で政策金利を0まで落とし、マイナス金利の可能性も排除せず、為替介入の可能性も匂わせるなど、明らかにスイスフラン高を嫌がっている節があり、個人的にも「そんなにスイスフランを買う必然性もないのでは」と思っているのでドル/スイスフランは買いで入っておりますが、今時点で心配しているのはアメリカの減税法案が本当に通過した時に思い出したように「アメリカ離れのトリプル安」が再発することで、ただ逆に言えばそういうことさえなければ、さすがにある程度下値も限定的と見ており、「もっと下がれば追加で買おうかな」くらいの目線でいます。
イスラエルによるイランへの先制攻撃にはじまり、ますますの混迷が懸念された中東情勢ですが、意外なことに、比較的短期間で出口に至りつつあります。 イランとイスラエルが停戦に合意したと報じられたことを受けて、有事のドル買いは一服。原油価格も落ち着きを見せており、市場から地政学リスクに基づくリスクオフ要素が大きく後退しています。 武力衝突を受けて、少し前には、ドル円で一時148円台まで円安が進む場面もありましたが停戦合意を挟んで、流れは逆転しています。 実際、昨夜のニューヨーク市場では、ドル安が強まりにより一時は144円台半ばまで円高が進んでいます。あわせて、パウエル議長による利下げ可能性に言及する議会証言もドル売りに繋がっています。 今日の東京市場でも、144円台を維持しており、こうしたドル売り基調のなかで、もともとの中期的なトレンドであった円高目線の相場に戻りつつある感もあります。 さらに、今日は、日本銀行の田村直樹審議委員の発言をきっかけに、円が買われている面もあります。田村委員は不確実性が高い状況においても利上げの可能性がある旨を講演で述べたと報じられています。 FRBは、関税の影響による経済の減速ペースと、消費者物価に対するインフレーショナリーなインパクトを見極めるのが難しいとして、当面は金融政策を動かさずに見守る構えを基本にしているとみられていますが、田村委員の発言は、こうした各国の中央銀行の慎重姿勢に対する、一つの出口の考え方を示すものでもあります。 さらに、ドル売りの強まりで、ユーロドルは1.16台に乗せています。これは、年初来高値水準です。停戦合意により、明らかにここまでの1、2週間の相場とは、資金の流れが変わってきています。 トランプ大統領が再三にわたりFRBへの利下げ圧力を示していることも手伝い、消極的な選択肢としてのユーロ買いの妙味が増しているとみられます。 イスラエル・イランの交戦をきっかけにして、しばらく小休止していたユーロ買い、円買いの動きに、市場は再び回帰していきそうな雰囲気があります。地政学的な材料が主導する局面であり、動きに逆らわないほうがいいでしょう。 14:00 4月景気一致指数 15:45 フランス 6月消費者信頼感指数 20:00 MBA住宅ローン申請指数 23:00 米5月新築住宅販売件数 23:00 米5月新築住宅販売件数 23:00 パウエル議長発言
米国がイランの核施設を攻撃してから一夜明けて、今週の為替市場はリスク回避のドル買いとスイスフラン買い、原油高を背景にした円安の動きとなりました。ドル円は148円付近まで上昇し、スイスフラン円は史上最高値を更新して180円台後半まで上昇しました。原油価格については昨日の早朝から78ドル台の高値をつけたものの、東京タイムから欧州タイムにかけて徐々に下落し、今朝の時点で68ドル台近辺まで大きく値を崩しています。 米国はイランの核施設にしか攻撃を実施しておらず、米国とイランの間で戦争が始まったわけではないという意見があるようです。他国が自国の施設を破壊したら当然ながら怒るでしょうし、もし米国内で他国から何らかの施設が破壊されたら大問題になっていることでしょう。イスラエルは継続してイランに対して攻撃を続行していましたが、イランから米国に対する報復措置は限定的との見方から原油価格が下落。ドル円やスイスフラン円についても巻き戻し的に元の水準に戻りつつあります。米国はこれ以上の関与はしない腹積もりのようですし、イランからの報復も事前通告をした上での実施だったようで、緊迫した事態は脱したように見えます。 本日のイベントとしては、23時からパウエルFRB議長の議会証言がありますが、先日のFOMC後の記者会見と内容は大きく変わらないだろうと見て、それほど注目しなくても良いかも知れません。イスラエルとイランの衝突が減り、中東情勢が落ち着きを取り戻してくれれば、リスク回避の巻き戻しが発生することになるでしょう。ドル円は大きな上ヒゲをつけた陰線を示現しており、原油価格の高騰を背景に上昇していた状況が変わってくるかも知れません。一方でユーロ円やポンド円などはそれほど巻き戻しは発生しておらず、ドル以外に対しては円売り継続と見たほうがよいのかもと思いつつ、少し遅れて円売りが解消するのかも知れません。 本日も中東情勢次第となりそうですが、もし再び戦禍が拡大するようであればリスク回避としてスイスフラン円の買い狙いが良さそうですし、原油価格が再浮上すればドル円も上昇することを想定した買い狙いとなります。地政学的リスクがなくなれば、ドル円は元のテーマである日銀の利上げ期待やFRBの利下げに伴い下落すること想定し売り狙いとなります。状況を見極めながら、どちらの流れにも対応できるようにしていきたいと思います。
【HOT CURRENCY ドル円 145.50〜147.50】 週末は米軍がイラン核施設を攻撃したことを受け、リスク回避でドルや原油が買われました。原油価格上昇は、輸入価格上昇に繋がり、円売り材料となりそうです。 ドル円は145円半ばにあった日足雲の上限を突破して来ました。短期的には押し目買い圧力が高まりそうです。 もともと投機筋のドル売りポジションが積み上がっていたため、どこまで巻き戻しが起きるか注目しています。 投資戦略は短期的にはドル円押し目買いが良さそうです。サポートラインは日足雲上限の145円台半ばです。 中長期ではドル安トレンドが継続すると予想しています。長い目で見れば145〜150円レンジは売り場になると見ています。 それでは本日も頑張りましょう! ※最終的な投資判断は、必ずご自身でお願いします。
6月半ばで例年であれば梅雨真っ盛りといったところですが、今年は例年と異なるのは雨がないこと。6月10日前後に東京では梅雨に入ったのですが、現時点では梅雨前線が消えてしまうなど、雨が少ない年になっています。既に沖縄では梅雨が終わったとのことですが、こうまでして雨が少ないと気になるのは水不足で、雨が降るべきタイミングで雨が降らないと夏以降の水不足が懸念されるところです。 【本日の指標】 本日は日本において消費者物価指数が発表されます。今週開催された日銀による金融決定会合では、早期利上げ観測が後退したとの相場参加者の見方。そうなると物価上昇に対する抑えが効かなくなるという図式が思い起こされてしまいますが、消費者物価指数は実体経済を示すものとして、政策と実態の乖離を如実に示してくれるものと考えています。 【本日の戦略】 今週は日米両国においていずれも各国の金融政策の中心を担うFRBと日銀において重要な会合が行われました。結果、FRBにおいては金利の据え置き、日銀も動きなしと、トランプ以前はそれぞれ利下げ、利上げと相対する金利政策をとっていましたが、ここ最近は金利の動きはまったくといっていいほど停滞しているのが現状です。それぞれの金融トップが共通して懸念事項としてあげたのは米国によって発動される関税引き上げの影響で、春頃から右往左往している政策による影響が懸念されるところですが、関税政策自体も各国とのディールを控えているだけあってなかなか方向性が示す事ができない状況。更なる逆風として、米国のパウエル議長は任期が来年まであるにもあるにもかかわらず、トランプ大統領による利下げ要求に応じないとして次期候補について言及されるなど、大統領に振り回される状況が続いています。この状況はそう簡単には解決しそうになく、しばらくは大統領の言動にハラハラする日々が続きそうです。ただ日米で金融会合が行われたのにもかかわらず、今週はじわじわと円安が進む程度で、ここ2,3週間続いていた急激な値動きというのは鳴りを潜める形になりました。ドル円は145円台と、最近形成されつつあるレンジ相場の上端に達しようとしているところです。特段新たなポジションは考えず、週の戦略で定めたドル円買いを継続します。
昨日は米5月住宅着工件数や5月建設許可件数の予想より弱い結果などを受けドルは軟調な値動きに、FOMC後は年内2回の利下げ見通しを維持したことを受けドル売りが強まるもパウエルFRB議長が「関税がインフレに及ぼす影響はより根強い可能性がある」等発言したことからドル買い優勢となりました。 ドル円はFOMC後144.33円まで下落もその後は145.23円まで反発、ユーロドルは1.1461ドルまで下落しました。 今日の主な経済指標などは、以下のものが予定されています。 07:45:NZ・第1四半期GDP 10:30:豪・5月新規雇用者数/5月失業率 16:30:SNB政策金利発表 20:00:BOE政策金利発表 20:00:BOE議事録公表 昨日のドル円は東京午前145.44円の高値を付けるもその後は軟調な動きで144円台後半まで下落し欧州時間は144円台後半〜145円台前半で推移、NY時間は上値重い動きもFOMC後145.23円まで反発しました。今日堅調な動きとなると145円台中盤〜後半へ上昇できるか見たいです。一方、軟調な動きとなると144円台後半〜中盤への下落が考えられます。 昨日のユーロドルは東京・欧州時間は1.14ドル台後半〜1.15ドル台前半で推移、NY時間はFOMC後1.1461ドルまで下落しました。今日堅調な動きとなると1.15ドル台前半へ上昇できるか見たいです。一方、軟調な動きとなると1.14ドル台前半への下落が考えられます。 では、今日も頑張りましょう!
昨日の為替相場は、円やドル、スイスが弱い位置から強い位置に変化して、全体的にリスク回避型に近い位置関係となりましたね。 後述するように前日の位置関係がほぼ逆転するような格好となっていますので、取引するには少し悩ましい状況ですし、中東問題もあるなかで相場の予測は難しいところもあるので、もし取引するにしても早い決済や翌日に持ち越さない工夫などをしたいところ。 このような中で今日のイベントとしては英消費者物価指数、ユーロ圏消費者物価指数、米住宅着工件数・建設許可件数、FOMC(終了後政策金利発表)、パウエルFRB議長記者会見、対米証券投資などが予定されており、特に英・ユーロ圏の消費者物価指数とFOMC、パウエル議長の会見あたりでは強い動きが出る可能性も。 そのため今日もまずは資金管理を万全にしたうえで、事前に上下両方にシミュレーションしておき、リスクが高いと判断したら無理せず様子見する選択肢も持っておきたいですね。 ではまず月曜から火曜までの力関係変化を対円変動率で見てみると、火曜はUSDが0.38%、CHFが0.09%、NZDが-0.29%、AUDが-0.30%、EURが-0.31%、CADが-0.38%、GBPが-0.71%となっていて、力関係は【USD>CHF>JPY>NZD>AUD>EUR>CAD>GBP】という形に。 月曜オープンからクローズまでの主要通貨の力関係が【NZD>AUD>EUR>GBP>CAD>USD>CHF>JPY】でしたから、円、ドル、スイスが弱い位置から強い位置に変化したこと、オセアニア、ユーロ、ポンドが強い位置から弱い位置に変化したことなど、全体的に前日の位置関係が逆転するような傾向になっていたことがわかります。 続いて今朝10時時点の各通貨短期トレンドをおさらいすると、昨日から今朝の動きを受けてドル円のみ上向きでその他は下向きとなっていて、通貨ペアによってリスクが低い方向が違います。 そのため今後は円を軸とした動きを見ておくと取引機会をみつけやすく、ここから円買いの動きが加速すればショートのチャンスになる通貨ペアが増えます。この場合は力関係上弱い通貨を売って円を買う形で攻めるのが低リスク。 逆にここから円が売られる動きになれば短期トレンドが上向きのものが増えてロングのチャンスとなり、この場合は力関係上強い通貨を買って円を売る形で攻めるのが低リスク。 取引するうえでのポイントとしては、夕方以降英国、ユーロ圏の消費者物価指数あたりで力関係が変化する可能性が高く、さらに夜中のFOMC、パウエル議長発言でもう一度強い動きが出る可能性が考えられますので、欧州時間までに現状の力関係や短期トレンドの状態を把握しておくことが重要となりそうです。 その上で時間をつくって上下両方にシミュレーションしておき、欧州時間以降変化が出てリスクが下がるようであれば取引、リスクが高いと判断すれば様子見しておくという形で相場に臨みたいですね。 それでは、今日も一日頑張りましょう!
みなさんこんにちは、斉藤学です。 【前日の結果】 ・ダウ平均 42513.189(+317.30 +0.75%) ・日経平均(CFD)38490.00(+238 +0.62%) ・金・ゴールド 3387.11(-45.07 -1.31%) ・原油・WTI 69.81(-1.48 -2.08%) 【前日発表の経済指標】 ★★★ 21:30(米)6月ニューヨーク連銀製造業景気指数 前回:-9.2 予想:-6.0 結果:-16.0 【本日の戦略】 <リスク回避の動きは一服か> 週明けのドル円はやや軟調にスタート、米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数が結果-16.0と予想-6.0を下回ったことも重しとなりました。ただ、NY時間に入ると米国株が反発したことを受け、144円台後半へ上昇しています。 中東情勢は緊迫化しているものの、トランプ大統領がSNSでイスラエルとイランに停戦を呼び掛け、イランもトランプ大統領にイスラエルへ停戦を呼び掛けるよう要請したことで、安心感が広がった様子。米10年債利回りは4.450%へ上昇しており、ドルは底堅い推移が続くと予想します。 ただ、現時点で戦闘が収まる気配はなく先行きは不透明なため、引き続き中東情勢には注意が必要でしょう。 <原油価格は急反落> 一方、先週末に70ドル台半ばへ急騰していた原油価格は急反落し、一気に70ドル台を割れました。 イランの原油輸出インフラに損傷は出ていないことや、ホルムズ海峡の封鎖もされていないことで、原油への買いは一服。上値は重くなってしまったため、しばらくは調整の地合いと予想します。 中東情勢の行方を知るためにも、当面は原油価格の動向も追っていきたいところです。 【経済指標】 ★★★★ 21:30(米)5月小売売上高(前月比) 前回:0.1% 予想:-0.7% ★★★★ 21:30(米)5月小売売上高(除自動車)(前月比) 前回:0.1% 予想:0.1% 【本日の予想レンジ】 ・ドル円 144.20〜145.50 ↑ ・ユーロ円 167.00〜168.50 ↑ ・ポンド円 196.00〜197.50 ↑ ・豪ドル円 94.00〜95.50 ↑ ・ユーロドル 1.1450〜1.1600 ↓・ポンドドル 1.3480〜1.3650 ↓ ・ドルスイス 0.8100〜0.8220 ↑ 【通貨の強さ】 ドル>豪ドル>ポンド>ユーロ 【注目通貨】 ・ドル(NYダウや米利回りの上昇)
週間見通し記事では今週の中銀会合があまりに多すぎて文字数を割けませんでしたが、今の相場で「思っている以上に市場が冷静」なイスラエル・イラン情勢と、その相場への影響を含めて解説したいと思います。 先週6/12にイランがウラン濃縮施設新設&核協議が難航したこともあってアメリカでイラク等から退避命令があった翌日、6/13にイスラエルがウラン濃縮施設や空軍基地の攻撃&核開発関係者や革命防衛隊のトップを暗殺という急転直下の事態となりました。 これに対してイラン側もミサイルを使って反撃し、テルアビブに超音速弾道ミサイルが直撃している動画などもSNSでは多く見られ、民間人にも死傷者が出ているようです。 これに対してイスラエルも「レッドラインを超えた」として、今度は石油施設を攻撃するなど攻撃の手を強めており、イラン側は「イスラエルが攻撃をやめるなら停戦の準備はある」と言っているものの、イスラエル側が止まる気配が今のところ全くなく、今後どうなるかというのが現状です。 このイスラエルの攻撃に対しては、ロシア・中国・パキスタン、中東諸国などは当然非難声明を出し、アメリカも当初は「攻撃には関与していない」「支持を明確化しない」と珍しいスタンスでしたが、トランプ大統領が「イスラエルを支持」とコメントし、G7の中でイスラエル非難をやっているのが日本だけという、かなり珍しい情勢となっています。 ただ中東情勢がこれ以上混乱することはほぼ全ての国が望まないことなので、今後も停戦勧告などは公式・非公式を含めて行われると思われ、「イスラエルが止まるかどうか」がポイントとなり、ここが何とかなれば急に止まる可能性も、このまま続けてイラン側もホルムズ海峡の封鎖等のさらなる強硬策を取る可能性も、どちらもあります(ホルムズ海峡封鎖は「できる、できない」というより、「攻撃を加えて警戒心を高めさせる」くらいならやろうと思えばできるため)。 相場としては、現状は金や原油などは当然上がっていますが、金は「上昇トレンドの中での普通の上昇」くらい、原油も60$前後から70$台と、「上がってはいるがデイリーの動きの範疇」くらい、株式も一瞬下がったもののその後は通常運行と、「早期停戦」をかなり強く織り込んでいるように思われます。 個人的にも、イスラエル・イランのできることも含めて考えると、そうなる可能性が一番高いとは思いますが、とはいえリスク資産の購入にはあまり前のめりにならない方が良いと思っており、ただその中で唯一、「安全資産スイスフラン」だけは、SNBがフラン安を許さない可能性も踏まえると、ドル/スイスフランの買い(フラン売り)だけは、唯一狙っています。
アメリカの関税引き上げと貿易協議を巡って、市場には警戒感が広がっています。 昨日のドル円も、トランプ米大統領が2週間以内に貿易相手国に書簡を送り、関税率を一方的に設定すると報じられたことで、ドル売りが強まる展開になりました。 米中協議に関しても枠組み合意が報じられるものの、その具体的な内容は必ずしも明らかになっていません。市場では引き続き先行きに不透明感があると受け止められています。 さらに、イランを巡る中東情勢も悪化しており、アメリカ政府は、在イラクの大使館職員に退避命令を発したと報じられています。 今朝ほど、イスラエル軍がイランに対して、核施設への空爆の先制攻撃を実施したとも報じられ、さらに、一気に株安とリスクオフが進みました。こうした地政学リスクもまたドル安の動きを強める要因になっています。 昨日の東京時間のドル円は、一時的に144円台を回復する場面もあったものの、総じて、143円台での動きになり、終盤にかけては下げ幅を広げる展開でした。今日のドル円も143円台前半で取引されています。 リスクオフの円買いが強まった格好であり、ユーロ円もまた下落して、165円台半ば付近まで下落しています。 その後、一時的に166円台に戻すものの、今日は、地政学リスクの高まりもあって、再び165円台まで円高が進んで取引されています。 ドルはユーロに対しても軟調であり、再び節目となる1.15をクリアしたうえにさらに上値を伸ばし、一時は1.6台まで到達する場面もありました。 他方で、今は貿易協議と中東情勢が前面に立ったリスク回避の局面ではあるものの、経済指標の弱さもまた注目されます。 物価指標は、トランプ関税に関わらず落ち着きを見せており、5月のアメリカの生産者物価指数(PPI)も、前日の消費者物価指数(CPI)に続きインフレの鎮静化を示す内容でした。 とりわけCPIが前年同月比2.4%上昇と小幅な伸びだったことで、FRBの利下げ期待も強まる場面ではあります。ただ、今のところは市場の主たる関心は貿易協議に寄せられている印象です。 13:30 4月鉱工業生産 13:30 4月設備稼働率 13:30 4月第三次産業活動指数 15:00 独5月消費者物価指数 15:45 仏5月消費者物価指数 18:00 ユーロ4月鉱工業生産 18:00 ユーロ圏4月鉱工業生産 18:00 ユーロ圏4月貿易収入 21:30 カナダ4月製造業出荷 21:30 カナダ4月卸売売上高 21:30 カナダ1-3月期四半期設備稼働率 23:00 米国6月ミシガン大学消費者態度指数
昨日のドル円は、NYタイムに発表された米CPIの弱い結果を受けて一時的に円高の動きがあり、144円台前半まで下落しました。しかし指標発表後は徐々に買い戻され、145円付近まで戻した後、引けにかけては144円台中盤で推移しています。FRBの米金利の見通しとしては、今月は据え置きがほぼ確実視されていますが、9月には57%程度の利下げが予想されており、年内にトータル2回の利下げが見込まれています。米国が利下げされればドルが売られるという単純な状況ではなくなっているため、金利の見通しだけで今後の展開を考えるのは難しいですが、1つのドル売り要因として頭の隅においておきたいと思います。 市場の注目は米中通商協議に集まっていました。10日からロンドンで協議が実施されており、ベッセント米財務長官は「良い話し合いができた」となんともいえないコメントをするだけとしており、市場にとっての好材料は特にない状態でした。ですが継続して協議が実施され、輸出規制の緩和に向けた枠組みの合意に至ったようです。あとは米中両国首脳の承認待ちとのことですが、一旦この材料は良い結果に落ち着いたと考えておき、短期的にはリスク選好の反応になるだろうと想定しておこうと思います。 しかしながら、インパクトの大きさとしては米国の減税法案の行方が今後の大きな方向性に影響するものと思われ、中長期的にはドル安目線で見ておくのが良いと考えます。もしドル円が上昇する場面があれば、戻り売り目線で売りエントリーのチャンスを探していきたいと思います。 本日の戦略としては、米中協議の結果を受けてリスクオンとなるのか、ドル売りを軸にすべきか迷うところではありますが、基本的にはドル円が上昇したら売り狙いとしておきます。ドルが買われて上昇する場面があれば、短期トレードでその流れに乗るのもありだと思いますが、あまり欲張りすぎないようにしておいたほうが良いかも知れません。
【HOT CURRENCY ドル円 144.00〜146.00】 10日の米国株は上昇。S&P500種32ポイント高(+0.55%)、ナスダック総合123ポイント高(+0.63%)でした。為替市場は円安。 日銀植田総裁は、基調的な物価について「まだ2%に少し距離がある」と発言。為替市場は円売りで反応しました。 来週16-17日に金融政策決定会合を控えて、政策金利据え置きを示唆しています。 来週の会合では政策金利据え置きが見込まれるため、国債買い入れ計画に市場の関心が集まっています。 2回目の米中通商協議では、進展期待が高まっており、ややリスクオンへ動いています。 円相場は「じわり円安」となって、ドル円は145円手前で推移。ユーロドルは1.14前半で高止まりしています。 本日は米5月CPIが発表される予定です。 投資戦略は中期でユーロドル押し目買いとします。 それでは本日も頑張りましょう! ※最終的な投資判断は、必ずご自身でお願いします。
関東地方の梅雨入りの発表は未だなされないのですが、天気予報では毎日のように傘マークが並ぶなど、梅雨入りの様相を示しています。今年は例年より若干遅いようですが、例年と比較して違うな感じるのはその温度。昨年はゴールデンウィークには毎日夏日を更新して大変であった記憶がありますが、今年は例年並みというか、そこまで暑くはない日々でありがたい限りです。 【本日の指標】 本日の指標は小粒。指標によって動く相場とはならない見込みです。 【本日の戦略】 サポートがハッキリと見られたことで、ドル円途転し買いの方に回りました。昨日は静かな相場で144円台で推移。特段特筆すべきニュースもなく、静かに推移する相場です。関税交渉の趨勢を占うということで注目されていた米中会談ですが、週末に行われた米中首脳電話会談に引き続き、英国において高官による貿易会談を実施する予定だとの報道。今回の会談は一週間弱の会談を予定しているとのことで、関税問題だけではなく、ここ最近紙面を賑わせている米国留学生ビザ問題なども含めて協議される見通し。 米中協議が進展することで相場の期待感というのは株高に向かうものですが、現時点では方向性は見えず。米国においては、ロサンゼルスの不法移民摘発に対する抗議運動に対し、トランプ政権が州兵や海兵隊を動員するなどしてデモ隊との間で緊張が高まっている模様。一般市民レベルだけに止まらず、カリフォルニア州知事とトランプ氏の不仲もこれに拍車をかけているようで、現時点では状況見合いと言ったところか。 米国ではトランプ大統領の側近として政治に携わっていたマスク氏の解任とその確執が話題に挙がるなど、トランプ氏の政治手腕そのものが問われるような状況が続いております。今のところは相場に直接的に影響はさほど大きくないと見ておりますが、先日は2026年まで任期が残るパウエル議長の後任について言及するなど、利下げの速度を巡って自分の意図とは異なる人間を次々と閉め出す政策を採り続けており、こちらは政策金利に直結するだけに相場への影響が懸念される場面か。幸いにして注目するドル円は静かに推移しているので、このまま寝た子を起こさずに再び円安へ浮上してくれることを期待します。
先週6日に発表された米雇用統計は、5月非農業部門雇用者数は市場予想13.0万人に対し結果13.9万人と予想より強い結果に、5月平均時給も強い結果となりました。5月失業率は4.2%と市場予想通りの結果でした。 米雇用統計の強い結果を受けドル買いの流れとなりドル円は145.09円まで上昇、ユーロドルは1.1372ドルまで下落しました。 今日の主な経済指標などは、以下のものが予定されています。 08:50:日・第1四半期GDP・改定値 先週6日のドル円は東京時間は143円台中盤から144円付近へ上昇、欧州時間は143円台後半〜144円台前半で推移、NY時間は堅調な動きで145.09円まで上昇し144.85円で引けました。今日堅調な動きとなると145円台前半〜中盤へ上昇できるか見たいです。一方、軟調な動きとなると144円台前半〜144円付近への下落が考えられます。 先週6日のユーロドルは東京時間は1.14ドル台中盤で推移し欧州時間は1.14ドル台前半でやや軟調な動き、NY時間は1.13ドル台後半へ下落し1.1397ドルで引けました。今日軟調な動きとなると1.13ドル台中盤への下落が考えられます。一方、反発の動きとなると1.14ドル台前半〜中盤へ上昇できるか見たいです。 では、今日も頑張りましょう!
昨日の為替相場は、全体的に円が力関係上弱い位置で推移する展開となり、ドル円クロス円ともに円売り方向に攻めやすい相場となりましたね。 ただ今日は欧州時間にラガルド総裁発言、NY時間には米雇用統計を控え強い動きも想定されることから、円軸、ドル軸の力関係変化を軸に欧州時間以降の変化次第では取引チャンスも出てくるかと思われます。 今日のイベントは独鉱工業生産、ラガルドECB総裁発言、ユーロ圏GDP確定値、ロシア中銀政策金利発表、カナダ雇用統計、米雇用統計等が予定されており、特に夜の米雇用統計では強い動きが出る可能性も十分。 そのため今日もまずは資金管理を万全にしたうえで、事前に上下両方にシミュレーションしておき、リスクが低いと判断したらすぐ動けるようにしておきたいですね。 ではまず水曜から木曜までの力関係変化を対円変動率で見てみると、木曜はAUDが0.95%、EURが0.89%、GBPが0.81%、NZDが0.79%、CADが0.68%、USDが0.65%、CHFが0.58%となっていて、力関係は【AUD>EUR>GBP>NZD>CAD>USD>CHF>JPY】という形に。 水曜オープンからクローズまでの主要通貨の力関係が【CHF≒JPY>AUD>NZD>EUR>CAD>GBP>USD】でしたから、円が弱い位置に変化したこと、ポンドとユーロが強い位置に変化したこと、豪ドルが位置を落としたことなどがわかります。 ただ10時現在は円が再び強い位置に来ていて、リアルタイムに変化しているのでざっくり参考までにですが、【JPY>CHF>EUR>GBP>NZD>CAD>AUD>USD】となっていますので、この円軸の強弱を特に見ておきたいところ。 続いて今朝10時時点の各通貨短期トレンドをおさらいすると、昨日から今朝の動きを受けてドル円クロス円ともに短期トレンドが上向きとなっていますので、ここから円売りの動きが加速すればロングのチャンスになりやすい状態。この場合は力関係上強い通貨を買って円を売る形で攻めるのが低リスク。 逆にここから円が力関係上強い位置に変化すれば一旦フラットに近くなりリスクが高まりますが、そのまま対円変動率が1%を超えてくると短期トレンドが下向きのものが出てきてショートのチャンスに変わります。 この場合は力関係上弱い通貨を売って円を買う形で攻めるのが低リスク。 取引するうえでのポイントとしては、欧州時間にラガルド総裁発言、NY時間に米雇用統計と重要イベントが控えており、ここで相場の力関係が変化する可能性が高いことから、取引対象通貨ペアをどうするかをまず考えておきたいところ。 ユーロをメインにして円やドルとの組み合わせでいくのか、夜の相場でドルをメインにして他の通貨との組み合わせでいくのか、また普段取引しなれているかどうかなども考えて、上下両方にシミュレーションしたいところです。 また週末でもあり強い動きが出たとしても最後は収束することも考慮し、タイミングを逃したと思ったら無理せず様子見に切り替えるのが良いでしょう。さらに取引できたとしても決済は早めにして回転を増やすなどの工夫も行って、週末をまたぐ不要なポジションを増やさないように注意しておくと良いかと思います。 それでは、今日も一日頑張りましょう!
みなさんこんにちは、斉藤学です。 【前日の結果】 ・ダウ平均 42427.74(-91.90 -0.22%) ・日経平均(CFD)37585.00(-162 -0.43%) ・金・ゴールド 62.81(-0.60 -0.95%) ・原油・WTI 3372.88(+20.90 +0.62%) 【前日発表の経済指標】 ★★★ 21:15(米)5月ADP雇用統計(前月比) 前回:6.2万人 予想:11.2万人 結果:3.7万人 ★★★★ 23:00(米)5月ISM非製造業景況指数(総合) 前回:51.6 予想:52.0 結果:49.9 ★★★★★ 27:00(米)米地区連銀経済報告(ベージュブック) 【本日の戦略】 <米経済指標の悪化でドル安に> 昨日のドル円は144円付近を維持していましたが、米経済指標の結果を受け急反落しました。 米5月ADP雇用統計は、予想11.2万人に対し結果3.7万人と大幅に減少し、2年ぶりとなる低い伸びに。ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は発表文で、「年初は力強いスタートだったが、雇用は勢いを失いつつある」と指摘しています。 米5月ISM非製造業景況指数も、予想52.0に対し結果49.9と景況判断の基準となる50割れで、2024年6月以来となる低水準。原材料価格の上昇により、低成長・高インフレのリスクにさらされつつあることが浮き彫りとなりました。 一連の弱い米経済指標を受け、ドル円は142円台後半へ下落。米10年債利回りは4.356%へ低下しており、本日もドルへの売りが続くと予想します。 <クロス円も軟調に推移> 一方、クロス円も連れ安となって全体的に下落しました。ドル円以外のドルストレートが買われたことで、クロス円はやや下げ渋る場面もありましたが、株安による円高に押されると見ます。 ドルに売り材料が出たため、全体的にはドル安の地合いと予想します。 【経済指標】 ★★★ 21:30(米)前週分新規失業保険申請件数 前回:24.0万件 予想:23.5万件 【本日の予想レンジ】 ・ドル円 141.80〜143.20 ↓ ・ユーロ円 162.00〜163.30 ↓ ・ポンド円 192.50〜193.80 ↓・豪ドル円 91.60〜93.00 ↓ ・ユーロドル 1.1380〜1.1500 ↑ ・ポンドドル 1.3500〜1.3650 ↑ ・ドルスイス 0.8100〜0.8220 ↓ 【通貨の強さ】 ユーロ>ポンド>豪ドル>ドル 【注目通貨】 ・ドル(米経済指標の悪化)
トランプ大統領は相変わらず絶好調で、最近も「EU50%関税」「やっぱり取り消し」というのや、「鉄鋼・アルミ関税50%への引き上げ」「中国への批判再開」等もありましたが、最近は相場もこうしたトランプ大統領の発言には免疫ができてきたようで、そこまで大きく反応しなくなっております。 その一方で、最近の相場で大きく反応したのは、 ・アメリカの関税措置について、裁判所が差し止めを命じ、ただしその後控訴審が「差し止めの差し止め(つまり維持)」という命令を出した ・米20年債の入札がかなり不調だった ということで、これは「市場はトランプ大統領が言ってることは話半分にしているが、関税には相変わらず注目され、また国債利回りについてはかなり気にされるようになっている」という状況と思われます。 この国債利回りについては、トランプ大統領自身もかなり気にしている節があり、最近は「金利が上昇したら一旦関税延期」をするようになっております。 また、今時点では為替相場にはそこまで影響を与えている感じはありませんが、個人的には日本の長期債が過去10年の最高値を更新し、特に30年債や40年債が凄まじい勢いで金利上昇し続けていることはかなり気がかりで、日米を比べると ・アメリカの方はいつやるのかという話はあれど、基本的には利下げ方向で、利下げ余地も十分にあり、10年債利回りも2023年に比べたらまだ低い ・その一方で日本は利上げ方向にあり(これもいつやるのかという話はありますが)、10年債利回りも過去10年以上で最高値を更新し続けている という点で、むしろ日本の方が危ないのではないかという気はしており、その中で昨日の10年債入札は堅調だったものの、6/5にも30年債入札があり、ここの入札不調などがあれば、長期金利の急騰→相場へのショック波及という展開も想定され、ここは普段と違って意識すべき要素と思っています。 なお、為替については2025年は久しぶりに「リスクオフの円高」が復活し、ドル離れの中で円はユーロと並んで相対的に強めの状態が続いていますが、こうした日本の状況を考えると、円を買う気には全くなれないので、基本的にはクロス円は買い方向でポジションを持つようにしています(個人的にはメキシコペソ円はまた落ちてきたら拾いたいと思っています)。
トランプ政権の関税政策に起因する先行き不透明感の高まりにより、市場ではドル売りの展開が継続しています。 昨日の東京市場でも、ドル円ではドル一段安の展開になりました。東京時間には、144円付近から、一時的に143円30銭台まで下落する場面も見せています。 さらに、海外時間でもドル売りとリスクオフの展開は継続し、海外時間になると、ドル円はさらに下落し、一時142円台前半まで到達しました。 対ユーロでもドルは弱含みしており、目先では、ドルの全面安に近いです。実際、ユーロドルでも、このところドル安が続いています。直近では、テクニカル的な節目である1.14をクリアしています。 このようにユーロは堅調であるものの欧州の経済の先行きもまた不透明です。 独仏製造業PMI確報値は、必ずしも強さが印象付けられるものではありませんでした。ある意味で、政策の予見可能性を巡るアメリカとの政治的な差分に起因してユーロが買われている面があります。 今のアメリカは政策の予見可能性が極度に低下しており、先行きを見通すことが難しくなっています。これが目先のドル売りの要因になっているように思われます。 実際、ドルを巡るアメリカの悪材料には事欠きません。 トランプ関税に関しては、さらにトランプ大統領からの発信が相次いでおり、鉄鋼アルミ関税を25%から50%に引き上げるとしています。また、台湾に関連した米中対立が強まっていることも地政学リスクを高めています。 もっとも、今日の東京市場は、142円台で始まったものの、株価が反発するとともに、ドル円も143円台まで戻してはいます。 これは、国会で植田日銀総裁が、将来の利下げ余地を確保するためだけに利上げを急ぐことはない。利下げ余地を作るために無理に利上げする考えはないとの旨の発言をしたと報じられたことで、円が下落したことによるものです。 ただ、この動きは今の円高ドル安傾向を決定的に押しとどめるインパクトはないように思われます。 そして今週末には米雇用統計が予定されています。昨夜の米ISM製造業指数の弱さを考えると、週内は各種指標に敏感に反応する可能性もあります。 15:30 スイス5月消費者物価指数 16:00 トルコ5月消費者物価指数 16:50 植田総裁発言 18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数 18:00 ユーロ圏4月失業率 18:30 南アフリカ1-3月期GDP 23:00 米4月製造業新規受注 23:00 米4月雇用動態調査求人件数
先週金曜日のドル円は、それほど大きな動きはなく144円前後での値動きとなりました。日本のCPIが強い数字となったことを受けて円高方向に動くかと思われましたがそれほど下落はせず、トランプ大統領から米中関税協議に関して「中国は合意を破った」という発言があったことで、再び米中貿易戦争が激化するのかと思われましたが、こちらも大きなリスク回避にはつながらず、不安だけが強まったという状況のように見えます。 関税関連はひとまず置いておき、米国では減税法案の行方に注目が集まっています。今後10年間で米国政府の債務が3兆ドル以上増加する可能性がある法案が下院を通過しました。先日ムーディーズが格下げしたことは記憶に新しいですが、財政問題が大きくなることを懸念して米長期債の金利は上昇(価格は下落)しており、株価とドルも安くなるトリプル安が懸念されています。米30年債の利回りは5.000%付近のレジスタンスラインをなんとか維持していますが、ここが決壊するとドルにとっては厳しい状況になるのではと思われます。トランプ関税に関連したリスク選好やリスク回避の値動きは一時的なものと考え、ドルに対して潜在的なネガティブ要因があるとして、中長期的にはドル安を想定しておいた方がよさそうです。 本日から6月相場が始まります。NYタイムにはISM製造業景気指数の指標発表がありますが、米国の指標は強い結果になりがちな状態が続いているように思います。通常であれば、米国の指標結果が良ければドル買いをすれば良いのですが、今は指標結果やFRBの金利見通しよりも財政問題の方に注目が集まっており、この問題がある限りは最終的にはドル安につながりやすい状況と言えます。もし良い指標結果がでてドル円が上昇した場面では、戻り売りのチャンスと見てドル円の売りエントリを狙っていきたいと思います。指標結果だけでなく、トランプ氏から関税関連の不安が払拭されるような発言があった場合も、同様にドル円が上昇した場合は売りチャンスと考えておこうと思います。
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