「WTI続落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は引き続き動きがなく158円を挟みもみ合い。米金利や原油価格に左右される展開だが、こちらも大きな動きがなく膠着状態に。
- ユーロドルも同様に1.12台で無風状態。
- 株式市場では久しぶりに3指数が揃って上昇。前日好決算を発表した「スペースX」の影響もあり、ハイテク株が買われた。
- 債券は小幅に下落し、長期金利は5.11%台へと小幅高。
- 金は反発し、原油は続落。
| ドル/円 | 157.84 〜 158.33 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1215 〜 1.1241 |
| ユーロ/円 | 177.29 〜 177.76 |
| NYダウ | +360.21 → 52,856.09ドル |
| GOLD | +7.40 → 4,150.00ドル |
| WTI | −0.67 → 97.15ドル |
| 米10年国債 | +0.011 → 5.119% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏10月消費者信頼感指数(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 9月景気先行指標総合指数
- 米 決算発表 → ブラックストーン、ロッキード、P&G
本日のコメント
ドル円だけではなく、ユーロドルも膠着状態が続き、動きがありません。ドル円は材料がない中、連日157円80銭〜158円30銭台で推移しており、原油も米金利にも大きな動きがないことも加わり、無風状態です。来週の日米金融政策会合でも「ほぼ据え置き」が確実なことから、突発的なニュースがない限り来週もこの動きが続きそうです。昨日、衆院財務金融委員会で答弁した氷見野日銀副総裁の発言でも、政策変更を示唆する内容はありませんでした。氷見野氏は、「9月の金融政策決定会合で政策金利を1.25%に引き上げた後も、実質金利は低水準で、銀行貸し出しは高い伸びが続いており、緩和的な金融環境が続いている」と指摘し、そのうえで、「物価の上振れリスクの高い状態で、緩和の度合いの調整が遅れれば、景気の悪化につながる恐れがある」と述べていました。また、一時的な要因を除く基調物価上昇率については「2%にかなり近づいている」とし、目標とおおむね整合的な水準だと述べました。物価の上振れリスクの高いことを踏まえて、今後も利上げは継続するものの、今回ではないといった意味合いにも取れます。
ロイター通信が、「米国務省は、中東の湾岸地域にある米大使館で勤務する一部職員とその家族を対象に、退避命令を出す準備を進めている」と、米当局者3人を引用して報じています。ロイターは、戦闘再開の可能性を踏まえた措置で、特にイエメンの親イラン武装組織フーシ派との戦闘を想定した動きだと伝えていました。一方、イランのアラグチ外相は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿し、「この戦争を恒久的に終わらせる公正で名誉ある解決を実現したいという米国側の誠意ある強い証明が示されれば、イランは外交にもう一度機会を与える用意がある」と表明しました。アラグチ氏はこれに先立つイラクのメディアとのインタビューで、イスラマバードで結ばれた覚書に立ち返るよう米国に求めていました。同覚書はイランがホルムズ海峡の再開に合意する一方、米国はイランの海上封鎖および凍結資産、制裁を解除する内容で、6月に署名されましたが、長続きはしなかった経緯があります。アラグチ氏は「米国がこれらの条件を順守するのであれば、海峡は全面的に開放される。その後で、最終合意に達するまでさらなる交渉を重ねることになる」と記していました。ブルームバーグは、「米国はこの覚書に戻ることにほとんど意欲を示していない。覚書が頓挫して以降、トランプ政権はイランに対する経済的圧力を強めるとともに、同国の核開発計画に再び焦点を当て、双方の隔たりは広がっている」と、論評しています。経済制裁の影響により、イラン国内のインフレ率は90%を超えていると指摘されており、国家財政の原資は石油輸出が出来ないことで枯渇しています。さらに資金が入って来ないだけではなく、米国内にある同国の資産も凍結されています。イランとしても、このままの状況が続けば、さらに経済的な困窮が深まるばかりで、上記アラグチ氏のFTへの寄稿も、打開を図りたいとする表れとも取れます。米国イラン双方とも、じわじわと追い詰められている状況かと思います。改めて「戦争に勝者はいない」という言葉が想い起こされます。
米中間選挙まであと10日余りになってきました。多くのメディアの予想では、下院では民主党有利との報道が優勢のようです。そんな中、ブルームバーグは今朝、若者の「トランプ離れ」の一例を配信しています。曰く、「2024年の米大統領選でドナルド・トランプ氏の勝利を支えた若い男性の間で、『共和党離れ』の動きが出ている。生活費が上がり続ける一方、住宅購入など従来の成功の象徴は手の届かないものになりつつあり、経済的に取り残されたとの不満が強まっているためだ。共和党だけでなく、政治そのものを見限る若者も増えている。『もう、どうでもよくなった』サウスカロライナ州在住のダラス・クルーズさん(34)は、自身の政治との関わりをそう表現する。16年にはトランプ氏を支持し、一票を投じた。だが今では、投票しても意味がないと感じている。仕事で滞在しているミシガン州デトロイト郊外で取材に応じたクルーズさんは、建設現場の安全衛生コーディネーターとして今年約8万5000ドル(約1340万円)を稼ぐ見込みだと語った。それでも今月の支払いには350ドルほど足りないという。近く、データセンター建設の仕事でミシシッピ州に移る予定だ」といった記事で紹介し、「クルーズさんのように、経済的な機会喪失や社会の変化に不満を抱き、政治そのものに幻滅する若い有権者が増えている。こうした政治からの離脱は、『黒い薬を飲む(ブラックピリング)』と呼ばれている」と結んでいました。中間選挙で共和党が予想以上に敗北するようだと、トランプ氏は再び「選挙はインチキだ」と声高に叫ぶかもしれません。2020年の大統領選で自身が敗北したことで、あの米議会を襲撃した出来事は、米国を民主主義国家の象徴から大きく乖離させたことは忘れません。
トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の関係がさらに悪化してきましたが、ルビオ国務長官は21日、トランプ政権によるウクライナ支援を擁護し、米国の支援がなければウクライナは「存在していなかった」と、強烈な言葉を述べています。ルビオ氏は、「トランプ政権下を含め、米国の支援がなければ、今ごろウクライナはなかっただろう」と発言。「主権国家としてのウクライナは存在していなかっただろう」と述べました。この発言は、「スペースXのイーロン・マスク氏が、ウクライナが対ロシア防空で使う衛星通信システム『スターリンク』の通信速度を低下させるよう指示した」とする、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道について質問された際に話したものです。事実はわかりませんが一国の国務長官が、ここまで言うのかという印象です。ロシアのプーチン大統領は、「米国およびウクライナと和平の可能性を話し合う3者協議を再開する用意があると表明した」と、ロシア大統領府が明らかにしています。
本日のドル円は157円50銭〜158円80銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/15 | 小枝・日銀審議委員 | 「物価上昇リスクが相応にある中で、利上げに過度に慎重になることはない」、(今後の利上げについて)、「経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべきだ」、「金利のある社会で、金融環境の分析は視野を広げることも重要」 | ドル円158円前後から157円50銭台まで下落。 |
| 10/13 | ボウマン・FRB副議長 | 「追加措置が必要かどうかを判断する前に、金融環境や経済がどのように推移するかを見極める時間はある」、「現時点では、追加措置を講じることに緊急性は感じていない。時間をかけて、経済がどのように推移していくのかをしっかりと見極める必要がある」 | -------- |
| 10/13 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「あと1回の利上げを実施するのが適切かもしれないとの見方は変えていない」、「さらなる利上げが必要になると考える理由は、現時点ではない」 | 米金利が低下し、やや円高方向に振れる。 |
| 10/13 | 植田・日銀総裁 | 「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが定着してきている下で、一時的な要因を除く物価の基調は2%にかなり近づいてきている」、「基調物価を2%程度の水準で安定させていくという観点が、金融政策にとって重要な局面だ」 | -------- |
| 10/12 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「対応を先送りして後で大幅な軌道修正を迫られるリスクを負うより、可能であれば、小幅な調整を比較的速やかに行う方が望ましいと考えている」 | -------- |
| 10/8 | ウォラー・FRB理事 | 「経済指標が引き続き予想通りに推移すれば、インフレ率を2%の目標により速やかに戻すため、追加利上げが必要になると予想している」、「しかし利上げをいつ実施するかについては、ある程度の柔軟性がある。連続する会合で利上げする必要はないが、妥当な期間内に実施すべきだ」 | -------- |
| 10/6 | 佐藤・日銀審議委員 | 「段階的に調整していく方針には賛成している」、「個人消費の勢いはそれほど強くない」 | -------- |
| 10/1 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「先行きを見据えると、今後の政策調整はデータの傾向、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に検討した上で決定すべきだと考えている。同僚と私はそれぞれ独自に判断を下す必要があり、それにはさらに時間がかかる可能性がある」 | -------- |
| 10/1 | ボウマン・FRB副議長 | 「現時点では追加措置を急ぐ必要があるとは考えていない。データを総合的にもっとよく理解する必要があると思うが、リスクには引き続き注意を払う必要がある」 | -------- |
| 9/29 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「経済が私の予測とおおむね整合的な形で推移すれば、インフレ率をより早期に目標水準に下げるため、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを今年終盤にもう一段引き上げることが適切となる可能性がある」、「10月のFOMC会合が中間選挙に近いことについては、『全く』考慮すべき要因ではない」 | 10月の利上げ確率が後退 |
| 9/24 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「関税やテクノロジー関連の値上がり、燃料費や医療費の上昇など、幅広いコスト上昇圧力が長引いていることで、米国のインフレが定着するリスクが高まった」、「より引き締め的な金融政策が必要になる」 | -------- |
| 9/24 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「相次ぐ供給ショックに見舞われており、インフレ心理が定着するリスクが高まっている」 | -------- |
| 9/24 | ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 | 「この先の状況が私の予想通りに推移すれば、さらに小幅な引き締めが正当化される可能性がある」、「米経済はショックに対して底堅く、生産の伸びは堅調で、労働市場は完全雇用に近いとして、『勢いが増している』兆しがある」 | -------- |
| 9/23 | ハセット・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「最近のコアインフレ率が年率2%となるなかで、なぜ利上げするのか」、(ウォーシュ議長については)、「異例なほど党派性の強いFRBを運営している」、「FRB議長や副議長は通常、任期満了時にFRBを去るが、その慣例が守られていない」、「なぜそうしたのか懸念している」 | -------- |
| 9/18 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「FRBにはインフレ抑制に向けてまだやるべきことがあり、今週の措置はその方向への一歩だった」、「原油高はインフレ率を押し上げる重要な要因となっているが、インフレの問題がエネルギーだけではないことを認識する必要がある」、「均衡しているようだ」、「経済成長は堅調だ」 | -------- |
| 9/16 | フォンデアライエン・欧州委員長 | 「欧州とカナダは民主主義を信じている。権力は、最も強い者、最も裕福な者、最も声の大きい者のものではない」 | -------- |
| 9/16 | ウォーシュ・FRB議長 | 「金融・信用環境をわれわれの最終的な目標により整合させるため、緩和の度合いを幾分縮小した」、「6カ月、112カ月ベースの年率換算で3%を超える価格上昇を示す財・サービスの項目が多過ぎる」、「この夏のインフレ指標を見ても、基調的な傾向が目立って改善したとは考えていない」 | ややタカ派的なトーンだったことで、ドル円は156円台に乗せ、156円42銭まで上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | 「委員会は米連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25ポイント引き上げ、3.75−4%にすることを決めた。委員会は、銀行システム内に十分な準備預金を維持する方針を継続している。経済活動は堅調なペースで拡大しつつある。地政学的な動向などを背景に、不確実性は引き続き高いものの、国内支出は底堅く推移している。生産性の伸びは力強く、設備投資は堅調だ。雇用の伸びは労働力に見合うペースを維持しており、失業率はほぼ変わっていない」、「インフレは高止まりしている。本日の政策措置は、委員会の目標である2%に向けた、より速やかな回帰を支えるだろう。委員会は物価安定を実現する」 | -------- |
| 9/15 | ベッセント・財務長官 | 「円高は米国の輸出にとって好都合だ。円が強くなれば、日本政府が為替介入の資金を捻出するために米国資産を売却する必要もなくなる」、「ごくわずかな額で、日本の政策を支持する姿勢を示すことができた」、「介入の目的ではなかったものの、米財務省は円買い介入によって数千万ドルの利益を上げた」 | -------- |
| 9/10 | ラガルド・ECB総裁 | 「今回の利上げは迷う余地のない判断で、全会一致で決定した」、(今後の政策対応については)「毎回の会合で判断する」、「市場は市場がすべきことをし、われわれはわれわれがすべきこと、つまり物価の安定を実現する」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「最近のデータは心強い。関税の影響が一部、過去のものとなる中、インフレは実際、緩やかな低下傾向にあるとみている」、「前回のFOMC会合を終えた段階で、金利は完全雇用と物価安定というFRBの2大責務のバランスを取る上で適切な水準にある」、「われわれは現在、多くのデータを収集しており、それを踏まえてあらためて評価する必要がある。実質金利はやや上昇したが、それほど大きくは上がっていない」 | -------- |
| 9/2 | 高田・日銀審議委員 | (今後の利上げに際し)、「市場で考えられている一定の間隔や幅にとらわれることなく、緩和度合いを確認したうえで機動的に対応していく必要がある」 | ドル円は、160円台前半から159円台後半に下落。 |
| 9/1 | バー・FRB理事 | 「データの傾向から、インフレが2%に向けて鈍化しているとの確信がある程度得られるなら、政策スタンスを評価するためにもう少し時間をかけることができる。だが、インフレの鈍化が十分でないようなら、断固として利上げに動くべきだと考える」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



