19日の日本の債券市場では、超長期債を中心に全ての年限で売りが優勢となっています。長期金利は2.28%台まで上昇し、約27年ぶりの高水準です。今週23日の通常国会招集日に高市首相が衆院の解散を行うとみられ、選挙戦に向けて与野党を問わず「食品の消費税を期限付きでゼロにする」公約が盛り込まれるとの観測が強まったことが背景になっています。財源には国債の発行が避けられないことで、債券には売り圧力がかかっています。複数のメディアが、高市首相は消費税率を時限的にゼロ%とする案を検討していると伝えており、共同通信は早ければ2027年1月から実施する案が浮上していると伝えています。今のところ為替市場には大きな影響は出ていませんが、それでもドル円は朝方の157円台半ばからやや円売りが優勢な状況となっています。今週は、今年最初の日銀金融政策決定会合が開催されます。昨年12月に0.25ポイントの利上げを決めたばかりということもあり、今会合では政策金利据え置きが確実と思われますが、今後さらに円安が進むようだと、利上げのタイミングが前倒しになる可能性もありそうです。
トランプ大統領の暴挙が止まりません。第一期目の時からすでに懸念されてはいましたが、当時はまだ政権内にボルトン大統領補佐官のような、「良識派」がいたため、ある程度暴走もけん制されていたようですが、今や「イエスマンだけが身内をかためている」とさえ言われており、権力を乱用している状況です。昨日18日の日経新聞朝刊の「社説」には、「トランプ氏これ以上世界壊すな」という見出しで、同氏を鋭く批判する記事がありました。社説では、「あるべき規範が損なわれ、ルールに基づく国際秩序は瓦解の瀬戸際に立つ。トランプ米大統領が就任して20日で1年を迎えるいま、多くの人たちがこう感じている。この流れが残り任期3年も続けば、世界のありようは望ましい姿からほど遠いものになるだろう」と論じ、その例として「世界貿易機関(WTO)のルールを無視し、相手を選ばない高関税は世界経済を大混乱に陥れた」と一刀両断。その手法を「力まかせに現状変更を迫る手法は、中国やロシアといった先制国家と変わらず、民主主義国家のリーダーに到底ふさわしくない」と断じていました。日経新聞の社説としては極めて異例なトーンだったと感じました。ここ最近の専制的な行動は、11月の中間選挙を意識したものだとの見方もありますが、それでもこのままでは、米国内だけではなく、欧州や南米、あるいは同盟国との分断につながる懸念があります。米国だけよければそれでよい、まさに「America First」一直線です。
今週は当局の円安けん制の言葉もやや強くなってきたこともあり、ドルの上値が重い展開も予想されます。それでも基調的なドル高傾向は変わらず、焦点は2月8日の可能性が高い投開票日に向けて、高市自民党が議席を伸ばせるのか、各社世論調査の結果を注意深く分析することになります。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
