今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロ円、187円50銭まで上昇」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間朝方から原油高に伴い、円売りが進む。159円80銭台を付けたが、NYでは原油価格が低下したことで159円29銭まで下落。
  • ユーロドルは緩やかに続伸し、1.1766まで買われる。ユーロ円の買いも活発で、一時は史上最高値となる187円50銭近辺まで上昇。
  • 株式市場では3指数が揃って買われる。トランプ大統領がホルムズ海峡の閉鎖を行いつつも、停戦に前向きな発言を行ったことが引き金に。
  • 債券は反発。長期金利は4.29%台に低下。
  • 金は続落し、一時は105ドル台まで上昇した原油価格は99ドル台まで低下。
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3月中古住宅販売件数 → 398万戸
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ドル/円 159.29 〜 159.86
ユーロ/ドル 1.1684 〜 1.1766
ユーロ/円 186.72 〜 187.50
NYダウ +301.68 → 48,218.25ドル
GOLD −20.00 → 4,767.40ドル
WTI +2.51 → 99.08ドル
米10年国債 −0.024  → 4.293%

本日の注目イベント

  • 豪 豪4月ウエストパック消費者信頼感指数
  • 豪 豪3月NAB企業景況感指数
  • 日 2月鉱工業生産(確定値)
  • 中 中国3月貿易収支
  • 英 ベイリー・BOE総裁講演
  • 米 3月生産者物価指数
  • 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 決算発表 → ブラックロック、JPモルガン、J&J、ウェルズファーゴ、シティグループ

本日のコメント

イランとの停戦協議が決裂したことで、イランの港湾につながるホルムズ海峡の全面封鎖を宣言したトランプ大統領。米中央軍はオマーン湾およびアラビア海で、グリニッジ標準時4月13日午後2時(日本時間同午後11時)から、船籍を問わず全ての船舶を対象に海上封鎖を実施しました。ロイター通信によると、「封鎖された海域に無許可で出入りする船舶は、臨検や進路変更、拿捕(だほ)の対象となり得る」と報じています。ただ、「イラン以外の目的地との間で行われる中立的なホルムズ海峡の通航」は封鎖の対象外にするということのようです。この報道で、昨日の早朝からはこれまでのように原油価格が急騰し、一時は100ドルを超えて105ドル台まで上昇しました。そして、これもいつものように、「円売りドル買い」が進み、株と債券が売られました。

日本の債券市場では、10年債利回りが1997年以来となる「2.49%」台まで上昇しました。長期金利の上昇は、日本の財政状況をさらに悪化させます。過去に発行した超低金利の国債が徐々に「償還」を迎える一方、新発債のクーポン(利率)がどんどん上昇することによって、国債の利払い額が大きく増えることになります。その利払いのためにまた国債を発行するという、いわゆる「自転車操業」をより深刻化させることになるからです。加えて、高市首相の掲げる「責任ある積極財政」もあります。債券トレーダーでなくとも、ここは債券売りで対応するのでしょう。

ホルムズ海峡でのさらなる緊張の高まりが予想されましたが、そこは「原油高」を何としても避けたいトランプ大統領。早速火消しに回っています。トランプ氏は13日ホワイトハウスで、「今朝、妥当な人たち、然るべき人たちから電話があった。彼らは合意をまとめたがっている」と発言しました。双方の対話に誰が参加したのか、詳細は明らかにしていませんがブルームバーグは、「トランプ氏は交渉の立て直しを図って発言したが、週末のイスラマバードでの協議が不首尾に終わった後、あらためて協議が行われている兆候はほとんど見られていない」と伝えています。イランが合意に向けて接触してきたとトランプ氏が述べたことを受け、北海ブレント先物とWTI先物価格はいずれも上げ幅を縮小させています。トランプ氏は、停戦を拒絶したイランに対して物資の供給を止める目的で海上封鎖を行い、さらにホルムズ海峡通過には通航料を取るとしたイラン側の計画に対しても、「支払った者は公海上での安全な航行を許さない」と述べ、イランへの資源元も断つ構えです。原油価格が上昇すると常に「楽観論」を繰り返すトランプ氏ですが、イランへの攻撃に踏み切ってからすでに1ヵ月半も経過しました。(戦争は)「4〜5週間で終わる」、「もうすぐ終わる」などとした発言は、全てトランプ氏の「希望的観測」でした。

昨日都内で行われた「信託銀行の大会」では、日銀の植田総裁が挨拶する予定でしたが、都合が合わず、氷見野副総裁が代読しました。氷見野氏は、「先行きの金融政策運営について、現在も不透明な状況にある中東情勢の行方や影響を注視して日銀が示している経済・物価見通しの実現確度やリスクを点検していく」と述べていました。この内容を市場では、「利上げ観測がやや後退した」と受け止めているようです。利上げスタンスを維持しながらも、中東情勢には不確実性が高いという認識が示されたことで、利上げ見送りとの見方が優勢だったようです。4月会合でのOISから見た利上げ確率は現時点で「32.9%」と、やや低下しています。

本日のドル円は158円70銭〜160円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
3/30 パウエル・FRB議長 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 債券と株が買われ、金利は低下。
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和